日本郵政さんがフリーで配布している「年賀状デザインキット」というAIRアプリケーションがあります。「プリントマジック」の開発コンセプトは通年で使えるようなサービスの提供なのですが、時期的にどうしても気になる存在です。
インストールしてみましたが「年賀状デザインキット」は基本的な編集機能を実装し、市販の年賀状作成ソフトにも劣らない魅了的な素材がいいですね。
年賀ハガキを販売するためのサービスアプリや素材提供と考えると いままで郵便局に置いてあるスタンプだけだったのが不思議
AIRアプリはβバージョンからもそうなんですが、この先どれだけのものを提供できるのか未知数で、C/C++で開発されたexeタイプのソフトとは違い実験的とも言えるアプローチとなるのに随分と冒険するなぁ、と思いました。
それとも現時点でマイナーなAIR技術を使ったのも、いままでの年賀状作成ソフト屋さんへの配慮?パッケージ化して4万件もある局窓口にCD置いおけばいくらでも配布できますよね。配布費用を節約してAIRでネットで提供ってことなんでしょうか。
資金が潤沢にある(非上場、資本金3兆5000億円!)超巨大企業、余裕で年賀状作成ソフト販売会社を全部買収できますね。
「年賀状デザインキット」を使ってみましたので報告します、ネットメディアさんの記事や使っていただいた方のブログとは違い技術面からとなります。
今回検証したのはフォントの印刷についてです。
Adobe AIR 環境でのアンチエイリアシングとアウトライン印刷(CS3,Flex3)
AIRは独自でフォントをレンダリングしますが悲しいかなCS3,Flex3で開発したものはPCにインストールされたフォント(ローカルフォント)は表示はスクリーン表示できますがアンチエリアスが有効ではないのと、印刷時にアウトラインデータを保って印刷できません。
「年賀状デザインキット」ではローカルフォントを使えるようにしています。
「プリントマジック」ではローカルフォントはあえて使わないようにしています。
理由は上記に記載した機能制限があるからです、印刷が汚いのではハガキが無駄になってしまうからです。
ローカルフォントについてはCS4,Flex4でスクリーン上ではアンチエイリアシング、印刷ではアウトラインが使えるようになるので年内もしくは年明け早々に対応します。
商用フォントの無制限再配布にかかるライセンス料金
「プリントマジック」に商用フォントの数が10種しか提供していないのは、商用フォントの再配布ランセンス料が高額であること。
もっと豊富な種類を望まれる方も多いと思いますが、年間1種あたり数万~数十万円、物によっては数百万円するものもあります。「もっと豊富にしてよ」「十種しかないのが残念」とのリクエスト・評価もいただきますが、個人非商用を利用と無制限配布とは条件面で全く異なるいことをご理解ください。リリースにあたりパッケージ販売されている毛筆フォントベンダーさんとは数社搭載の交渉をしましたが「年賀状ソフトに搭載ですか?既存のパッケージソフトメーカーとのお付き合いがあるので・・・」と困惑ぎみでした。年賀ハガキソフト作成に実績もないですしAIRてなに?が現状なので、いたしかたないかもしれません。
では、フリーフォントを積めばいいのでは?との考えもありますが、そのあたりはこだわりがあって今回はPS準拠のフォントを搭載しました。理由はPSプリンタで印刷ができるようにとの考えからです。弱点もあって、たとえば「崎」は使えても外字の「﨑」は使えない。そういった指摘はdarkskyさんのブログにコメントがあります。
使おうと思うと外字を搭載しないといけない。
やはりこれも費用とのかねあいといったことになります。フォントを提供いただいているニイス社さんから外字を搭載したフォント(2万文字)をリリースしていただくことになっていますの、近々には宛名印刷に活用いただけるようになります。
Adobe AIR 環境でのフォントデータは?
システムのフォントフォルダなどにはインストールされず、AIR独自形式でコンパイルすることにより特定のフォルダに格納されます。そうすればOS起動時や他のアプリを起動する場合に余計な負荷をあたえなくて済みますし、個々OS対応したAdobe AIR RumtimeによりWindows,MAC,Linuxでもフォントを使えるようになります。これはとても重要なことだと思います。
「年賀状デザインキット」ではフォントをAIR用にコンパイルし初期配布時に埋め込んでいます。
「プリントマジック」ではAIR用にコンパイルしたデータを外部ファイルとして持たせています。
「プリントマジック」外部ファイルとして持たせたのは、追加や削除などのメンテナンスが容易だからです。
初期はアプリケーション本体のみダウンロードし、短時間で済む確実性重視です。フォント、画像はアプリ起動時にダウンロードするようにしています。いったんダウンロードするとキャッシュとして格納しますので変更がないかぎりローカルでの作業が可能です。
印刷手法の比較
「年賀状デザインキット」「プリントマジック」で文面編集で背景はそのままで文字色を黒で「あ」という文字を描画してみました。
左が「年賀状デザインキット」(Ver1.35)で右が「プリントマジック」で描いたものです。
わかり易いようにPDF出力してみました、PDF出力≒プリント時の印刷品位と考えることができます。

「年賀状デザインキット」=アンチエイリアスにてラスター描画
「プリントマジック」=アウトライン描画
とあきらかに描画方法が異なりますね。
ただし、現状ではプリンマジックも少しでも画像が混在した場合は全部をラスターデータとしてレンダリングしてしまいます。
つまり画像としての印刷となります、これはAIRの仕様によるところが大きいのですが文字の印刷に欠かせないポイントなので研究し改良していきます。AIRも Illustratorも同じAdobe謹製なので、なんとかならないの?と思うところもあります。
現状で綺麗な文字を望まれる場合は
1.背景のみ印刷
2.文字のみを印刷
と2度印刷する必要があります。
文字や画像が混在したデータで印刷する場合はIllustratorのような印刷時もベクター・グラフィックスが可能なアウトラインデータで印刷できないと惜しいですね。

アンチエイリスのラスターデータを印刷するのとベクター印刷では文字と画像の境界線に明らかな差があります。
さて、今後の「プリントマジック」の年賀はがき作成機能のみの開発スケジュールは
0.ブログへの文面データの出力機能の実装
1.CS4でローカルフォントの使用を可能とします。(トライします)
スクリーンでのアンチエイリアス描画
アウトラインでの印刷
2.宛名データのエクスポート機能の実装
3.PDF出力(Linux対応の一環でテストドライブです)
上記が完了した時点でCS4→Flex4に移植、同時にyahoo wegihtバージョンの製作もありかな。
と考えています。
もちろん同時進行で、はがき作成機能以外の機能やサービスも開発中です。
開発リソースが許せばiPhoneに移植というのも面白いかもしれません、手書きの達筆化アルゴリズムの持ち味が十分に発揮できると思います。
2 Responses to “文字の印刷”
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12 月 26th, 2008 at 6:25 AM
[…] 毎日新聞、ビックカメラの事件を報ぜず 痛いテレビ最近とばしてるな。 文字の印刷 この印刷結果の違いはなかなかですね。 […]
12 月 26th, 2008 at 12:08 PM
コメントありがとうございます。
「年賀状デザインキット」で文面印刷された人も多いと思いますが、この品位は画像処理ソフトでフォントをアンチエイリスし出力したのとかわりません。
すでに投函された方は気の毒だと思います。
これは技術的にはそう難しくなく、ユーザー側に立って設計すればちゃんとできます。